【経営管理VISA】『事業の継続性』要件について ~赤字決算や債務超過でも更新できるか~


【経営管理VISA】『事業の継続性』要件について ~赤字決算や債務超過でも更新できるか~

【経営管理VISA】『事業の継続性』要件について ~赤字決算や債務超過でも更新できるか~

平成17年8月法務省入国管理局(平成27年3月改訂)発表のガイドラインで「事業の継続性」に関する審査基準が明確化されていますので、次の通り、ご紹介致します。なお、本ガイドラインでは、併せて「事業所の確保(存在)」要件についても、基準が明確化されておりますので、そちらは下記リンク先をご確認ください。

⇒「事業所の確保(存在)」要件について ~自宅を事業所にできるか~

 ↓ ↓ ↓

 事業活動においては様々な要因で赤字決算となり得るところ,当該事業の継続性については,今後の事業活動が確実に行われることが見込まれることが必要です。他方で,単年度の決算状況を重視するのではなく,貸借状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから,直近二期の決算状況により次のとおり取り扱うこととします。

(1)直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合

a直近期末において剰余金がある場合又は剰余金も欠損金もない場合

直近期において当期純利益があり同期末において剰余金がある場合には,事業の継続性に問題はありません。また,直近期において当期純損失となったとしても,剰余金が減少したのみで欠損金とまでならないものであれば,当該事業を継続する上で重大な影響を及ぼすとまでは認められないことから,この場合においても事業の継続性があると認められます。
したがって,直近期末において剰余金がある場合又は剰余金も欠損金もない場合には,事業の継続性があると認められます。

b直近期末において欠損金がある場合

(ア)直近期末において債務超過となっていない場合

事業計画,資金調達等の状況により,将来にわたって事業の継続が見込まれる可能性を考慮し,今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出を求めることとし,事業が行われていることに疑義があるなどの場合を除いて,原則として事業の継続性があると認められます。ただし,当該資料の内容によっては,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出をさらに求める場合もあります。

(イ)直近期末において債務超過であるが,直近期前期末では債務超過となっていない場合

債務超過となった場合,一般的には企業としての信用力が低下し,事業の存続が危ぶまれる状況となっていることから,事業の継続性を認め難いものですが,債務超過が1年以上継続していない場合に限り,1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性を認めることとします。
具体的には,直近期末において債務超過ですが,直近期前期末では債務超過となっていない場合には,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が,改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を申請者に求めることとし,当該書面を参考として事業の継続性を判断することとします。

(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合

債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかったときは,事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから,事業の継続性があるとは認められません。

 

(2)直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合

企業の主たる業務において売上高が売上原価を下回るということは,通常の企業活動を行っているものとは認められず,仮に営業外損益,特別損益により利益を確保したとしても,それが本来の業務から生じているものではありません。単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ,二期連続して売上総利益がないということは当該企業が主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって,この場合には事業の継続性があるとは認められません。

 

※上記において主な用語の説明については以下のとおり

直近期:直近の決算が確定している期

直近期前期:直近期の一期前の期

売上総利益(損失):純売上高から売上原価を控除した金額

剰余金:法定準備金を含むすべての資本剰余金及び利益剰余金

欠損金:期末未処理損失,繰越損失

債務超過:負債(債務)が資産(財産)を上回った状態(貸借対照表上の「負債の部」の合計が同表の「資産の部」の合計を上回った状態のこと)

 

(参考)直近期決算で当期純損失のあった「経営・管理」の在留資格に係る入国・在留申請の許否に係る事例については,以下のとおりです。

許可事例1

当該企業の直近期決算書によると,当期損失が発生しているものの,債務超過とはなっていない。また同社については第1期の決算である事情にも鑑み,当該事業の継続性があると認められたもの。

参考指標

(売上高総利益率:約60%,売上高営業利益率:約-65%,自己資本比率:約30%)

 

不許可事例2

当該企業の直近期決算書によると,売上総損失(売上高-売上原価)が発生していること,当期損益は赤字で欠損金もあり,また,欠損金の額は資本金の約2倍が発生していることから,当該事業の継続性を認められなかったもの。

参考指標

(売上高総利益率:約-30%,売上高営業利益率:-1,000%超,自己資本比率:約-100%)

※各種計算の手法は提出された直近期の決算書をもとに以下のとおり算出(利益はプラス,損失はマイナス。)。

売上高総利益率=売上総利益(損失)÷純売上高×100
売上高営業利益率=営業利益(損失)÷純売上高×100
自己資本比率=自己資本(剰余金又は欠損金を含む)÷総資本×100

 

ガイドラインは以上です。上記記載の通り、『b直近期末において欠損金がある場合』であっても、債務超過状態が1年未満であれば、在留資格更新許可申請が許可される望みはあります。但し、中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)』『中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が,改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)』が必要になりますので、ご自身で申請せずに、専門家の支援を得た方が良いでしょう。外国人の会社設立と経営管理ビザの取得に強い行政書士法人エベレスト(名古屋・大阪・入国管理局対応)では、エベレストグループ内に「公認会計士」がおりますので、いずれの書類でもご相談を承ることが可能(※もちろん客観的な評価に基づいて書面を作成いたしますので、ご要望に添えない結果となる場合もあります)です。まずは、お気軽にご相談くださいませ。