【経営管理ビザ】申請する外国籍の方の年齢が「60歳以上」でも許可されるか
【経営管理ビザ】年齢が60歳以上でも許可されるか
日本においては、早い人では55歳で会社員を退職し、セカンドライフとして退職金を元手に起業することも珍しくなくなってきています。「55歳」の方には失礼ですが、「シニア起業」という言葉が新聞でも掲載され、実際に日本政策金融公庫ではシニア企業向けの融資制度が用意されていたりします。日本では社会保障制度が維持できるか不安視されているため、国としても定年後の生計を自立して確保して欲しい思惑とも一致するようで今後も増えていくことは間違いないでしょう。それでは、「経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の審査上は、年齢が許可・不許可に影響を及ぼすのでしょうか。
①結論:事業の継続性に疑義が出なければ年齢は関係なし
『経営管理ビザ(VISA)と外国人会社設立に強い行政書士法人~在留シェルパ~』の申請データでは、年齢が60歳以上だからと言って、それのみをもって「経営管理ビザ」が不許可になることはありません。しかし、65歳以上についてはやや注意が必要です。もちろん70歳以上でもバリバリの経営者という方もいらっしゃるので、誤解がないようにお願いしたいのですが、一般的には健康上の問題等で、事業の継続性に不安が生じるためです。年齢が高ければ高いほど(特に80歳以上、90歳以上は相当に審査が厳しくなると予想されます)、許可申請には十分慎重に立証をしていきましょう。もちろん、虚偽の申請は論外です。
②「事業の継続性」、特に「健康状態」の説明に注意!
「事業の継続性」は経営管理ビザを取得するための要件ですので、しっかりと説明をしていかなくてはなりません。場合によっては、健康上問題がない旨の説明(資料)やどういう活動をするのかなどを詳細に説明する必要があります。健康状態について説明しておいた方が良い理由として、海外から日本の「質の高い医療サービス」を受けたいという外国籍の方が一定数いるのですが、国民健康保険料の不払い等が社会問題化しているためです。当然、入国審査官は高年齢者の経営管理ビザ申請にはこういった観点から虚偽申請ではないかを疑っているため、健康上問題がない旨を説明することは審査上有益です。また、万が一経営管理が出来なかった場合に備えて、事業自体の継続性を担保するため、他に従業員や管理職がいるかなどについても説明しておくと良いでしょう。もしも「年齢」そのものを理由として不許可になったという方がいらっしゃいましたら、当社までご相談いただければと存じます。当社では一度も不許可になっていないので、別の自由ではないかと思慮します。
③「親を呼びたい」が主たる申請理由なら、「経営管理ビザ」ではなくて、「告示外特定活動」「高度専門職」の2つをまず検討!
なお、現在の入管行政では、「親を呼ぶ」ことはとてもハードルが高いです。子どもについて「高度人材ポイント制」の活用を検討して「親の帯同」を検討するか、ハードルが高い「告示外特定活動(連れ親、老親扶養)」を検討するかが基本路線となります。その点、500万円以上のお金(又は常勤職員2名以上の雇用)と事業意欲、綿密な事業計画があれば、年齢制限のない「経営管理ビザ」は日本に滞在を希望する外国籍の方からすれば一つの策となり得ます。
(文責:申請取次行政書士 野村 篤司)