中国人が「不動産事業」で在留資格「経営・管理」を取得する場合の要点


中国人が「不動産事業」で在留資格「経営・管理」を取得する場合の4つの要点

Pocket

中国人が「不動産事業」で在留資格「経営・管理」を取得する場合の要点

中国における好経済や中国人が中国国内で不動産を資産として保有できないことを背景にして、日本の不動産を資産・投資として買いたいという中国人が近年増えております。本記事執筆現在、日本には外資による不動産取得の規制がない(※日本の場合、外国人土地法があるものの、該当する政令が制定されていないため)ため、日本人が購入する場合とそれほど変わらず、簡単に不動産を購入することが可能なのです。これに伴い、「不動産事業」として在留資格「経営・管理」が取得できますか?という相談が増えております。本記事では、中国人が「不動産事業」で在留資格「経営・管理」を取得する際の要点をご紹介します。なお、本記事タイトルでは、「中国人」としていますが、外国籍の方であれば、同様の要点になります。

※外国籍の方が日本の不動産を取得した場合、外国為替及び外国貿易法により、「不動産取得の報告については、取引又は行為を行った日の翌日から起算して20日以内」に日本銀行を経由して財務大臣へ報告する必要があります。但し、「非居住者による本邦不動産もしくはこれに関する権利の取得が「自己または親族もしくは使用人その他の従業員の居住用」、「自己の事務所用」、「非営利目的の業務遂行用」である場合は報告義務の対象外です。詳しくは下記リンクを参照してください。

⇒外為法の報告制度について

 

(1)「不動産事業」要点その1

賃料収入が最低でも年300万円以上を有する「収益」不動産を最低でも1つ以上購入する(単なる不動産投資ではなく、事業性を証明するために2物件以上の取扱が望ましいです)。これは「事業規模」に関する「経営管理ビザ」の一般要件に関連するものです。利益が見込める事業でなければ、当然「事業」とはいえないため、役員報酬を年間300万円程度とした場合でも利益が確保できるとなると、賃料収入で年300万円が望ましいです(※例えば利回り年3%の物件だとして、物件価格は1億円以上となりますので、ハードルは高いです。)。

なお、「不動産事業」を行う場合、「法人格」(株式会社等)については必ずしも必要なわけではありません(※経営管理ビザの要件として法人格は必須ではありません)。また、事業として貸し付けをしておらず、現に収益を生んでいない居住用物件を単に取得しただけの状態や購入価格が500万円以上というだけでは、事業の継続性はもとより事業性そのものが判断できないため、不許可の可能性が高いと考えられます。

(2)「不動産事業」要点その2

⇒物件から生じる賃貸収入から管理委託費や損害保険料などの諸経費を差引いた金額から、申請人の役員報酬を月額18万円以上は最低でも確保する。月額18万円以上については、被扶養者がいるかいないかによっても影響しますが、資産の保有状況により、下回る場合でも許可される可能性があります。なお、融資を受けて不動産を購入している場合は、その「返済額」を含めてキャッシュフローが黒字になることが望ましいです。不動産を所有する場合は毎年「固定資産税」が発生したり、不動産購入や売却処分時に、不動産仲介業者に支払う「仲介手数料」や譲渡税所得税や登録免許税等の各種税負担が発生することにも要注意です。当たり前ですが、個人・法人問わず「確定申告(決算報告)」についても、遅滞なく行い、しっかりと納税をしましょう。

(3)「不動産事業」要点その3

⇒不動産の貸付事業のほかに、「不動産管理業務」を行う場合、「定期清掃」「補修・メンテナンス」については、管理委託契約を締結する(自社で行う場合はアルバイト等を雇用する)。これは、在留資格「経営・管理」の「管理」はあくまで事業経営上のマネジメントのことであり、不動産管理における物理的な「管理」業務ではないためです。「定期清掃」や「補修・メンテナンス」を外国籍の方本人が実働(現場労働)を行うことについては、「経営・管理」業務に該当する活動とは認められないと考えた方が良いでしょう。もしもこういった「不動産管理業務」で収益を上げていく事業計画の場合は、申請者自らが行うのではなく、従業員の雇用ないしは他社へ外注するように事業計画を立てましょう。

(4)「不動産事業」要点その4

「土地の買取・転売」や「不動産取引仲介業」を行う場合には、「宅地建物取引業の免許」を取得する。法令違反状態では経営管理ビザが許可されることはまずありません。法人(株式会社や合同会社)を設立して経営管理ビザを申請する場合に、会社の「定款」の「目的」に記載する分には構いませんが、実際に事業を行うには、「宅地建物取引業免許」を取得する必要があるため、注意してください。日本人であっても、宅建業免許取得の要件を満たすことが難しいため、なかなかハードルは高いでしょう。

なお、上記以外に、「事業所の確保(存在)」要件についてはもちろん満たす必要があります。在留資格「経営・管理」の更新許可申請の際には、「事業の継続性」要件についてもしっかりと注意する必要があります。

経営管理ビザと外国人会社設立に強いさむらい行政書士法人では、「不動産事業」での在留資格「経営・管理」取得を目指す中国国籍の方(中国人)の支援を積極的に行っております。また当社関連企業にて「収益物件」のご紹介についても承っておりますので、お気軽にご相談ください。中国人の永住者スタッフもおりますので、中国語での対応も承ります。

 

Translate »